NOVEL OFFICE MT SECOND

what's NOVEL OFFICE MT SECOND

私たちは人種、国籍、宗教、職業、地位、性別、年齢にくくられることなく、同じ信念を持ちより良い世界の構築を目指す横のつながりの組織です。

行動理念:自分の地位や名誉を活かしながら横のつながりを形成し、世界を変革していく

行動規則:公にMT SECONDのメンバーであることを口外してはならない

行動承認:面談後、名簿への記載をもって承認されたものとする※メンバー承認後、名簿が配布される

行動規範:愛と正義

除籍処分:上記四原則に違反した場

記事一覧(195)

3rd season6/12

平和とは何か?戦争をしないことである。戦争をしないとは何か?人と争わないことである。たとえ同国の同郷の同じ思想を持っていたとしてもそこに争いがあれば戦争と呼ばざるを得ない。では、戦争可否状態を維持するためになんでもござれというのは自由という観点から否定するべきだろうと私たちは考えている。議論の余地があるのではなく、議論して折り合うことで平和を実現できるからだ。平和とは形骸的なものではない。人間が努力して作り上げていくものである。芍薬先生と元取締役の出会いを演出したひとりの青年がいる。可愛らしい男の子だと芍薬先生はいまもなお懇意にし身を案じている。元取締役以上にその可愛らしい彼のことを大切に思っている芍薬先生に対して、誰も何も言うことができなかったわけだが今日幸にして大事件を向こう様が起こしてくれたからすべては明るみに出すことができた。献灯たちが金髪豚野郎(♀)とあだ名をつけた件の女性である。彼女と芍薬先生はさほど会ったことがないのに先生はとても嫌っている。護衛の男の子を取り合ったと勘違いされたことが遺恨だと思っていたようだが、実際はもっともっと金銭的な家族的な切羽詰まったものだった。出会いの場にいた彼らのことを元取締役は「兵隊」と表現する。「承認欲求を満たしてほしい昨今のSNS中毒をうまくついてあいつらは兵隊を養成している」言い過ぎじゃないかと私たちがアワアワしていると珍しく献灯が同調した。「何人か異常にいいね!を集めるministerがいるんだよ。そいつらを見ていると兵隊予備軍はガキだからなんだかすごく見えるわけよ。その先生方がね。で、認められたいから同じようなことを言う、すると先生がいいね!してくださる。図式は簡単、大人の思惑なんてわかんないから、SNSも使いこなせる親しみやすい先生くらいにしか思わないんだろうけど、大人同士で60近いおっさんがそんなSNS真剣にやること自体社会の落伍者である証拠だと思うよ」芍薬先生が目を泳がせ始める。先生の目が泳ぐときは考えを巡らせているときで、案外ポーズだったりする。(祈祷が言うには先生が真剣に考えているときは無言で家事をしているときらしい)。「じゃあ、あの子の親もそうってこと?」「苗字はいただきもの。先祖伝来のものではないはず」「となると、そのまわりの親派の先生たちも?」「なんでそんなことするの?しかもなんであんなに忠実なの?」「借金を肩代わりしてもらっているから。ブラックリストをチャラにしてもらったから文句言えないんだよ。国後島でも奄美諸島でも今日いけって言えばいけないんだよ。つまり奴隷ってこと」「そんなに金があるわけ?向こう様は、、、」「ないない!でも仕組みを仕切ってる人間がケーンって鶴の一声鳴けばなんとでもなる」先生が自撮りに夢中になりながらも、ふっと宙を見上げ、おもむろに慎重に言葉を選びながら「あのさー、、、」と真剣な表情をした。「今日美容院に、元取締役と出会ったあの団体の元締めがいたの。隣にはかつての金髪ブスがいて、シャンプー台にはうちの教会に来ている人と似ている人がいた。なんで?ありえないって不思議だった」献灯がにやける。「なんでいたと思う?」「まだまだ、先は長いってこと?」「違うよ。借金をチャラにしてもらったんだから気合いの入り方が違うってこと。向こう様が倒れたら自分たちの借金は耳揃えて負債として自分たちのもとに戻ってくるんだから」先生が絶句する。「椿はお嬢さんだからなあ、、、金髪ブスだって家族一丸となって奔走しているのはそういうこと。運命共同体なわけさ」先生が俯く。「私ね、パパにのんびりしているってよく言われた。擦れてなくて純粋すぎるって。そんなんじゃ世の中生きていけないよって。甘やかして育てちゃったからって」今日はお父さんのお誕生日でもある。そのことも少し心に引っかかっているんだろう。「椿?」献灯が先生の髪を撫でる、「だから俺たちがいるんだよ?大丈夫。お父さんは安心して天国に旅立ったし、君が悔やむことはひとつもないんだよ」MT公会堂が暖かいココアを持ってきてくれた「さあ、寝ましょう!考えあぐねていても何も進まないんだから、とりあえずは寝て頭スッキリさせて。また明日」苗字はどの家系の財産配分に該当するかを物語っている。借金と借用の家庭には相応の苗字が与えられている。鶴の一声の鶴がどの種類の鶴であるべきなのかを表すように。

3rd season6/11 処分と処罰と後始末【MTG】

『色では賄いきれないから苗字で示したんです。公文書として残しておくわけにはいかないから。留置所でもテレビが観れるのなら、私たちは手紙を送るよりも早いと思ったのです。野球賭博も相撲の八百長も私たちが騒ぎ立てました。バズらせることは簡単です。バイトと組織の活動と称して依頼すればよかったからです。また、健康教室を開き、地域に入り込んでいけば井戸端会議でも自然と話題に昇らせることができました。簡単なことです、世間話それらしいことを言えば種まきは終了です。それから、息のかかったチェーン店のロゴには専用の色を使わせ、マニュアルには会話術として特定の話題のみを方向性を統一して記載しました。野球賭博も相撲の八百長もニュースとして私たちがバズらせたのは、私たちのカラーを受け入れなかったからです。色で賄いきれないというのに、彼らは自分達のカラーを使って私たちに反抗したのです。特定のチームや特定の関取ではありません。全体的に粗悪なカラーが蔓延っていました。組織的なカラーと言えるでしょう。一掃するために子飼いの犬を殺すことにしました。厳密には殺すフリをして急所をはずしたのです』Elegant Angerたちの前で読み上げられた向こう様の謝罪文。句読点なく単調に反省の色調なく、当てつけられたように感じたのは気のせいだったのだろうか。Elegant Angerたちは黙って聞いていた。通訳が入りながらも、時々私たちが注釈をつけていった。「椿、君はどうするつもり?」Elegant Angerが椿に判断を仰ぐ。今や世界のFlag Makerとして、また、Red PIckerを任せられている椿の意見が重要だった。「没落貴族はもっともっと明るみにする。それから監視の目を増やす。闇の奴隷制度を解体させたいから」「飼い主と飼い犬の見分けかたは?」「広告塔を晒しクビにする。そこからまた話は考える」「Flag Makerの仕事は」「もちろん継続」Elegant Angerたちが笑顔で拍手したりハイタッチしたりしている。「そりゃそうだよな。あの人たち、椿のFlagにしか興味ないもんな、、、」祈祷が遠い目で苦笑いした。その通りだと思う。俺たちも心底そう思っている。なんたってこの件に関しては治外法権の外国人だから。

3rd season 6/10 感謝

Elegant Angerの祝電が私たちに届けられた。6月10日になった瞬間だった。全文を掲載する。「MT SECOND、及び日本の皆様へこんにちは。感謝の思いを早急に伝えたく祝電を制作しています。あなた方の尽力に心から敬意を表します。貴国とは第二次世界大戦以来、良い関係を築くことを目標としてきました。いつでもその用意はあったし、そのために私たちは代替わりをするたびに先の事情を申し送りをしてきました。日本以外の国が新陳代謝がなされているのに、ガラパゴスとなっている日本への不信感に対しては私たち自身いたたまれない気持ちとどこか申し訳ない気持ちがあり、されど、治外法権の独立国家として認めたサンフランシスコ講和条約に鑑みれば、一定の距離感を保つことが国際社会としては最大限できることだったのです。アメリカに渡ってきてくれた新進気鋭の芸術家に頼ったこともありましたが、彼女の家庭の複雑さを知ったのはつい最近でした。それでも彼女は90歳を目前にしても汚れ役を担ってくれました。まず何よりも彼女に謝意を申しあげなければならないでしょう。傀儡政権のため、西側だけでなく、我々、東側及び共産圏と呼ばれる国々も被害を被りました。慎重に相手の意見を汲み取ってきたつもりですが、国家さえ欺いた大胆不敵な謙遜のない愚行は貴国の国民が誰よりもの被害者であることは事実です。貧困ビジネスで得られた金が傀儡政権に流れ、また東側の国々にも流れマネーロンダリングされた末に傀儡政権のミサイル建設の資金にされている。貴国の軍事開発は非核三原則と憲法第9条によって強固にがんじがらめられ、有事など起こりうるはずのないという平和論者こそがマネーロンダリングの指示者であったこと。政教分離という建前につけ加え、なおかつ二枚舌で先日まで貴国を歴史的に支配していたこと、我々としましても同情の念に耐えません。貴国と我々共産圏は共に被害者です。共に被害者である事実は巧妙に団体と組織によって二枚舌を使い隠され西側諸国との関係性に亀裂を及ぼされていましたから、西側諸国も被害者といえましょう。私たちは祈り、願っています。貴国の国民が歴史を繰り返さず、負の遺産を歴史の中に道標として埋め込んでしまうことを。戒めとして、忘れるべきではない無関心の戒名として法的に処罰されるべき者は処罰されることを。事実を恐れることなく私たちに正直に公開してくれたこと、民族や思想を問わず、あなた方MT SECONDは世界の誇りです。ありがとう」6月10日より世界の追求が彼らに対して開始されることが祝電とは別に連絡された。私たちも改めて世界に感謝を申し上げたい。私たちはひとつとなれる、ありがとう、心を込めて。

ダセェ男だなw-2nd season Play back-

「クリスチャンってなんであんなにダセェの?」卓さんが開口一番私を追い詰める。言葉に窮していると、マッキーが追随する。「あいつ、名前なんだっけ?俺らよりひとつ下なだけだろ?」「おい、やめろ!可哀想じゃないか!あの人は王子様なんだぞ!!」悪童どもが、、、私も同じことを思ったと言葉がでかかったところで私の元カレが私の気持ちを代弁してくれた。卓さんと同じあの蠍座の彼だ。「だから俺がめぐちゃんを救ったんだよ。卓たちはクリスチャンじゃないから何もできなかっただろう」言うようになりやがってという目が向けられる。この子もそういう視線に怯まなくなったなあと私はどこか姉目線で視線を送っている。思えばこの子が私と卓さんを再会させてくれたのだから。「派手ブスとお局は俺たちも見てたんだけど、もうひとり金髪豚野郎がいたじゃん」(マッキー、言葉を選んで、、、)爆笑する卓さんとユウマン(お願い、笑わないで、、、)「一橋の法学部の子です」私が言葉を絞り出すように言うと、蠍座の彼が悔しそうに口を真一文字にした。「あなたが司法試験合格できなかったのはあなたのせいではなくて、あなたの生まれのせいなのだから、気にしないの」頭を撫でてやると、急に甘えてくる彼がやっぱり可愛くて、やぱり蠍座であることと涼やかな瞳は卓さんと同様ドキドキさせられると顔がにやけてしまった。「頭が悪くても血筋と目的で裏口入学させてもらえるんだから、この世の中って頭の良し悪しなんてわかんないよなあ、、、」ユウマンと私は同じ高校に合格している。そこそこの学歴の学校であったけれど、それでもある程度苦労して入学した自負があるから裏口入学の話は気分が悪かった。「金髪豚野郎の護衛のイケメンもめぐみさんには敵わなかったわけじゃん。美人だからマジ惚れしたんだろうけど、、公開処刑なんてもんじゃなかったよな」「そうそう!あれはざまあみろだった。金髪豚野郎も途中から来なくなったよね!あれは残念だった、めぐみさんと比較すると笑えたからw」(おい、やめろ、めぐみが怒られる、、、)「クリスチャンがダサいんじゃなくて、ダサいやつしか来れないようにしてるんだよ。教会全体で。居場所のないやつ集めて、兵隊にしてんの。ふつうに働けてる奴にはあの元締め冷たくして、排除してたんだもん」蠍座の彼はどさくさに紛れて私の膝に膝枕をしている。卓さんの視線が厳しい。「どけ」とは言わない蠍座のプライドが私を困らせる。「あの団体ってなんだったの?おかしいじゃん、こいつのラブレター初っ端見つけたり、ゲームでも追いかけまくってきたし、普通じゃねぇよ、どう考えても」「犯罪者の再就職先。弱みを握られているからあの元締めも逆らえない。好き勝手にやってたんじゃなくて、指示に従ってただけ。賢い奴は軒並み卒業して行ったのは、なんとなく事態を察していたからだと思う。ここまでの事実は知らないはずだよ、あんなところに来るのは基本的に末端だから」「さすが、やんごとなき一族!!言うことが高貴だね」蠍座の彼がカッとなり卓さんに灰皿を投げつける。卓さんが胸ぐらを掴んで廊下に引き摺り出す。蠍座の彼はやんごとなき一族と折り合いをつけた。私たちの故郷長野に凱旋する前日にケジメをつけてくれた。それをまた蒸し返すような言い方をする卓さんがいけない。「ちょっと!!ねえ!!やめなよ!30過ぎた良い大人が!!」男兄弟のいない私は目の前で取っ組み合いが始まると心が抉られるほど焦ってしまう。卓さんは昔からケンカが強かった。護衛もいない男社会で戦いながら生き抜いてきた。やんごとなき一族で育った蠍座の彼とは練習と経験が違う。伏せを強要した姿勢で卓さんは捨て台詞を吐いて蠍座の彼に勝利宣言をした、「めぐみさんのことテメエみたいなガキがメグちゃんなんて気安く呼ぶな。100年早いんだよ」。男の子なんて基本的にダセェってマウント取ってるだけで、皆平等にダセェんだなと思った。かつての団体には闇が入り込んでいた。知らぬ間に大学生が兵隊にされかねない。このこともMT SECONDの課題として新たに加えられた。

3rd season 6/9 駒場の利用価値

全学連にとって駒場900番教室は忘れ難き教室として秘密裏に暗号化している。三島由紀夫先生と学生たちが論争をしたあの現場であり、戦場、東大駒場900番教室。当時を知るMT公会堂から嘲笑を伴いながら俺たちはさまざまな話を聞かせてもらった。リアルな時代背景と三島由紀夫先生が戦前からの緑の蛇の正体をつかんでいたことを。「考えてみろよ、いくら今と違って気骨のあるやつらだとしても、国を統治している人間なんて家柄のいい連中ばかり。今のご時世とは比べ物にならないくらいに身分が幅を利かせていた時代なんだ。いっかいの学生連中が本気で自分達の意思で喧嘩なんてできるか?」最近わかばからメビウスにたばこの銘柄を変更をしたMT公会堂のひとりが苦々しく言う。「後ろ盾がいたことはたしかに。その通りだと思う」歴史好きの椿が目を輝かせる。「あの頃は、ちょっと前にアメリカでベトナム戦争の反戦がヒッピーという文化と共に流行ったんだよ。反戦活動の急先鋒はジョンレノン、奥さんはオノ・ヨーコ。日本人も真似したかったという文化背景はある」「全学連に参加していた人間たちの風景って今SNSで他人を晒し首にする若者に似ている気がするのよね」「じゃあ、ケツ持ちがいたってこと?」「奉祝くん、さすが!鋭いね」「誰だったの?その正体を三島由紀夫先生がつかんでいたってこと?」「たぶんね。緑の蛇っていうのは、まあ、ソビエト連邦の何某を意味したんだ。でもソ連が絡んでいたわけではないよ?線を引いて緑の蛇って言っただけだったはずさ。線のつながる先に赤軍派のパトロンがいたからね」「誰だったの?金持ち?それとも国家転覆を目論む王様?」MT公会堂が目を見合わせて笑うべきか黙るべきか怒るべきか苦慮した表情を俺たちに見せた。「まあ、なんていうかね、、、あまりにもバカバカしくて君たち若者にはすごく申し訳なくてね、、、」

3rd season 6/8没落貴族

『中学校の理科でやるんだっけか?染色体のお勉強。XでもYでもZでも奇形でも障害でもみんな自分の仕事に誇りをもって挑戦している。ところがである、、、、』ちょっと待てと私たちは慌てて止めた。献灯は時々こういうことをしでかす。天然なのか、それとも計算なのかどぎつい一髪を平気でしれっと打ち込んでくる。「奇形とか障害っていう言葉はよくない。あまりにも短絡過ぎる」芍薬先生のチェックが入る。「そのくらいきつい言い方したほうが堕落が浮き彫りになって、というか対比されていいと思ったんだけど。障害持ってる人とか、奇形って蔑まれてきた人を利用してあいつら貧困ビジネスやってるわけじゃん。根こそぎ枯らすためには少しくらい俺は悪く言われてもいいよ。一時的なものだし」「あたしが嫌なの」これには献灯も口を閉ざしてしまった。ということで、チェックが入っているために少しリリースが遅れるかもしれない。献灯が何を言いたかったかと言うと、「昔の血筋をリメイクしてただ飯食うために庶民を巻き込むな」ということだ。リボーン、リスタート、リメイク、働かざる者食うべからずの原則だけはいくら転生しても許されるものではない。日本国民の三大義務であるからだ。

3rd season6/7 親の仇

金の切れ目が縁の切れ目。ですから私は貯蓄しているんです。とも言えないしねえ、、、俺たちは時々こんなことを話題にする。なんていうか、金の重要性を蔑んでいるようでいて、羨んでいるようでいて、苛立っているような感覚だ。誰も彼もが金の重要性を知っているというのに、金を渡されると閉口してしまう。金を渡した方は「受け取った方が悪い」となるし、金をもらったほうが泣き寝入りをしなければならない。この国は法治国家でありそういう仕組みの上で私たちは補助金をもらったり、助成金を申請したり、社会保険に加入して年金をもらえていたりするからだ。ひとりの政治家を悪の頭とするのはおかしな話だと俺たちは考える。責任追求されることを承知で悪の頭になる人間などいるだろうか。悪の頭など最初からいないのか、それともスパイのようにそこら中にSNSを使って拡散している団体がいるのか。金さえあればアルバイトを雇って細かいことを言わず「とにかくこのような記事を拡散してください」と言えばいい。お小遣い稼ぎならポイントサイトで気軽にワンクリックという手段もあるだろう。金の切れ目は縁の切れ目と言えるのはゲームメーカーだ。金の流れや金の仕組み、それから守られるべき法律の仕組みを細やかに決められる人々だ。一世一代でその仕組みを作るには時間が足りない。ある程度の時間が必要である。世代交代をすれば大義名分も引き継がれるように思い込んでいるが、親が苦労したと考える職業を子どもにも勧めるだろうか?裏を返せば「親の仇」という言葉がある。金は世代を超えてある末裔と一族を反映させている。世界を欺いて。to be continued by 消息からのあらすじEpi4-2 Time is money

3rd season 6/6 classmate

三つ巴の戦いとはいうものの、それは代表者の話であり、ふたつの陣営には同じウイルスが入り込んでいる。Elegant Angerのひとりがリーダーからの特使として私たちに意見を聞きたがっていると連絡をいただいたのは4月も下旬だったように思う。丁寧にお断りしたものの、どこか気になって、それ相応の方が直々にご連絡をくださるというのは、それ相応の期間が諜報活動を行い、ほぼ黒の状態で確証を得るために私たちに接触を依頼してきたのではないだろうか。Elegant Anger たちも立場があるから多くを語れないことは私たちもだいたい同じ立場だから察するわけだが、それにしても不可解極まりないことが起きている気がして、気になって仕方なかった。DEAD SCREENINGのあるメンバーの友人が中国とアメリカにそれぞれいる。相容れないように見える西側と東側の人間がDEAD SCREENINGを介して繋がり話し合えば話し合うほど謎は深まっていった。どう良く捉えても辻褄が合わない。話が通じていないのだ。理屈に合わない。各国の報道にはカラーが出る。中国が間違っているとかアメリカが正しいとか、共産主義とか資本主義とかそんな話でもなさそうで、奇妙さは混沌としていくばかりで、もうひとり違う国の居住者からの意見を聞きたくて元LAY-RONの友人である韓国人に繋いでみると、不思議なことにというか、謎が複雑化してしまったのだ。三人寄れば文殊の知恵というし、三元論の原則に立ち返れば2人の仲介者がいるから二元論よりもより複雑になるのは想定済みだが、それにしてもである。話の辻褄が合わないどころか、話の方向さえ四方八方に飛び散っている状態で思考も話の内容も収集がつけられないほどだった。「二枚舌すぎる。意味がわかんない」芍薬先生からの電話を受けた奉祝が私に緊急だからとテレビをつけるように要求してきた。5月に入ってのことだった。「数字に意味があるから、とにかく今すぐテレビつけて!!」私たちはすべてに合点が行った。芸術に打ち負かされたあの教室を世界中が示唆していただの。今までも幾度も芸術で私たちはその教室に触れてきていたのに。to be continued by 消息からのあらすじEpi5-2 世界大学ランキング

3rd season6/5 高額授業料

「あの幼児教室に私働いていたことあるけれどとってもいいよ!理由を聞いてくれるから自ずと語彙力と思考力が伸びるように先生たち教育されているから」と、友人に薦められて私は芍薬先生と娘の幼児教室の体験入学をしてきた。先生は感覚が鋭く子どもと同じ考え方をするから娘がそのお教室に対してどんな印象を持っているか翻訳をしてくれる。それがまた十中八九あたるから、私たちはかなり頼りにしている。体験入学で娘はソワソワして浮かない顔をしていたもの、最後帰りたがらなかったことが決め手となって入学を決めた。芍薬先生も「彼女は気にいるよ」と太鼓判を押してくれたことも大きい。数ヶ月通うようになって教室でママ友ができるようになった。「〇〇ちゃんだわ、珍しい、、、土曜日に来るなんてね」はじめて見る子だった。青白い顔で物事をはっきり言う賢そうな子だった。その母親は存在感の薄いといってはなんだけれど、静かで地味なタイプだった。「初めてお会いしたわ」「あの子平日の午前中にしかお授業取らないからね」「しかも週に3コマとっているっていうね、、」「え!!3コマ!!!???」驚くのも当然だ。週3コマであれば、月12コマ。1コマのお授業料は6000円なのだから。「家どこよ、、」思わず漏れ出た声にあるママ友が反応してくれた。「駅前の、ほら、最近建てられた」旦那の話を思い出して背筋が凍る想いがした。to be continued by Epi.8-2 殺処分私的裁判

3rd season6/4 健康保険証

歯医者嫌いのあるメンバーは虫歯があることを知りながら、すでに数年歯医者に行っていない。「おじちゃん!そろそろ行きなよ!なんでそんなに嫌なの?入れ歯になっちゃうよ?!」芍薬先生がいつものごとく世話を焼く。「まだ痛くないから大丈夫だって。虫歯くらいじゃ死なねえから」MT公会堂はそういう人が多い。「死にはしないから」と言えば、もう仕方ないなあと話が終わってくれると期待してる人が多い。「今は麻酔あるから痛くないって。」「わかってるんだけどな。あと仕事だ。トラックに乗れなくなる。酔っ払っちゃうから車の運転できねえんだよ、麻酔すると。それで飲酒運転一発で切符切られちゃかなわねえ」口をつぐんでいるのは元LAY-RONを名乗っていたひとりの青年だった。事情を知っている頌栄と頌栄の表情をみて目つきが変わる芍薬先生。芍薬先生はとにかく感覚が鋭く、向こう様のおつきのものに「知覚過敏のバイキン」というあだ名を賜ったほどだから、芍薬先生の目つきの変化に私たちも何かあるのだと期待した。頌栄は後日、芍薬先生に事情を話し、芍薬先生が私に話してくれた。私の子どもたちは私と主人の養子であるが、日本国籍もあるし、健康保険証もきちんと交付されている。貧しいから塾通いもさせてやれないし、スマートフォンも自分でアルバイトをして買いなさいと言っている。驚いたことに、この国には国籍がありながらも健康保険証を持てない人間がいるのだそうだ。彼は会社所属の、お抱えの闇医者の病院に行くしかない。安く済む、頼る病院がそこしかないからだ。それなのに、、、多量の麻酔を注射されて酩酊状態にされてしまい、事故を起こした。大事故だったらしい。この彼というのが元LAY-RONのメンバーだったのだ。To be continued by 消息からのあらすじEpi2-2 日雇いと赤線の歴史

ルール違反者はどこでもルールを無視する【MTG】6/3

MT SECONDにはメンバーしか知らないルールがある。ルールを逸脱した人間が向こう様であることが一目瞭然であるから最近の芍薬先生は冷静なのだ。芍薬先生はいつも悲しそうな顔でひとりで歩いている。知らないおばさんにカートで体当たりされたり、食事中に裸足の足裏を見せられながら面と向かって威嚇するような位置に座られても、動じることなくYouTubeを楽しんでいるからといって何も知らないわけではないことをむこう様はきっとご存知ないのだろう。芍薬先生は私たちも驚くほどの勘の鋭さがある。一度も出会ったことがないむこう様を的確に見抜くことができる。「なぜこの時間にわざわざ」という疑問点からあらゆる謎を解いてしまう。ふわふわした雰囲気と、やんちゃな雰囲気と、内気で怖がりなイメージの根底に何を持って生まれてきたのは不思議なほどに先生には膨大な不思議なエネルギーがある。「椿ちゃんはなんでそんなにわかるの?」「目の動き、態度、言葉の感覚、体の傾き、それから歩調の速さ。別に直感力ってわけじゃなくてたぶん人間の機微を無意識に瞬時に分類して判断しているから勘が鋭いって感じるんだと思う」恐れ入った。JERUSALEMたちは気骨が強いものの芍薬先生のような超人的な勘の良さはない。ちなみにではあるが、芍薬先生は勘の鋭さをむこう様から「知覚過敏のバイキン」と言われたことは記憶に新しい。「替え玉入学って昔有名だったの知ってる?今はマスクだから替え玉ってやりやすいよね。入学試験だけじゃなくて、学校とか会社も替え玉出席って可能なんじゃない?」ゲラゲラ笑う私たちに対してElegant Angerたちは厳しい表情を崩さなかった。むこう様の二枚舌でどれほど被害を被ったかわからない。それ以上に芍薬先生との仲介に対して嘘をつかれていたことが我慢ならないらしい。物理的にいつでもそばにいられないからこそ、その怒りはリミットをすでに超えているらしかった。むこう様は信用問題、金銭問題も含めてどう後始末をつけるのか。私たちの知ったことではないものの、どう落とし所をつけるのか。私たちは思う。いくら崇められ結束を固くしていても、仲間が困っているときに誰も助けないようなコミュニティはすぐに崩壊することを。スーパーで商品を落としてしまったとき、バツが悪そうにひとりで拾っている女性に声をかけない仲間など私たちなら仲間だと思わない。芍薬先生は俯き加減にこう答えた、「なんか、かわいそうだった。私は向こうからしたらむこう様になるからお礼を言いたいのに言えない、そんな不自由に見えて、かわいそうだった」。芍薬先生という人は等身大の人だ。格好つけたりもする。でも格好つけて逆に格好悪くなってしまったときにそれを笑い話にできる客観能力がある。いい文章を書いても、地位が高くなっても、名誉をもらっても、芍薬先生は変わらない。変わらないことをひとつ義務にしているようなところがある。「みんなと友達でいられなくなるのが一番怖い」ひとりっこだ。寂しがり屋だ。血縁の家族も親戚もJERUSALEMと元取締役のために捨ててしまった。芍薬先生には私たちがどうしても必要なのだ。少しこそばゆいけれど、嬉しかった。そしてそれが私たちのプライドだったりもする。