三つ巴の戦いとはいうものの、それは代表者の話であり、ふたつの陣営には同じウイルスが入り込んでいる。
Elegant Angerのひとりがリーダーからの特使として私たちに意見を聞きたがっていると連絡をいただいたのは4月も下旬だったように思う。丁寧にお断りしたものの、どこか気になって、それ相応の方が直々にご連絡をくださるというのは、それ相応の期間が諜報活動を行い、ほぼ黒の状態で確証を得るために私たちに接触を依頼してきたのではないだろうか。
Elegant Anger たちも立場があるから多くを語れないことは私たちもだいたい同じ立場だから察するわけだが、それにしても不可解極まりないことが起きている気がして、気になって仕方なかった。
DEAD SCREENINGのあるメンバーの友人が中国とアメリカにそれぞれいる。相容れないように見える西側と東側の人間がDEAD SCREENINGを介して繋がり話し合えば話し合うほど謎は深まっていった。どう良く捉えても辻褄が合わない。話が通じていないのだ。理屈に合わない。
各国の報道にはカラーが出る。中国が間違っているとかアメリカが正しいとか、共産主義とか資本主義とかそんな話でもなさそうで、奇妙さは混沌としていくばかりで、もうひとり違う国の居住者からの意見を聞きたくて元LAY-RONの友人である韓国人に繋いでみると、不思議なことにというか、謎が複雑化してしまったのだ。三人寄れば文殊の知恵というし、三元論の原則に立ち返れば2人の仲介者がいるから二元論よりもより複雑になるのは想定済みだが、それにしてもである。話の辻褄が合わないどころか、話の方向さえ四方八方に飛び散っている状態で思考も話の内容も収集がつけられないほどだった。
「二枚舌すぎる。意味がわかんない」
芍薬先生からの電話を受けた奉祝が私に緊急だからとテレビをつけるように要求してきた。5月に入ってのことだった。
「数字に意味があるから、とにかく今すぐテレビつけて!!」
私たちはすべてに合点が行った。
芸術に打ち負かされたあの教室を世界中が示唆していただの。
今までも幾度も芸術で私たちはその教室に触れてきていたのに。
to be continued by 消息からのあらすじEpi5-2 世界大学ランキング
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