MTSECONDとしても判断に決するまでにこの時間まで会議が白熱した。
芍薬先生の思いは強い、JERUSALEMは黙っている。そうなれと祈りながら。
私たちはこのMT SECONDを全体の脚本だと捉えているから、先生のわがままをどう収めようかと考えていた。昨日から今日からずっとずっと。押したり引いたり、なだめたり飴をくれてみたり、それから鞭を打ってみたり。
先生の思いは揺るがない。献灯と祈祷が助言しても頑としている。
「今週、私はJERUSALEMたちのために時間を使いたいの。小説は出さないで欲しい。誤解されたくない」
先生はJERUSALEMたちには返せないほどのあらゆるものをもらったと言う。その途中、先生の彼らへの愛を奪われそうになったこともたくさんあった。
先生へのガチ恋勢、それからJEURSALEMたちに憧れるよくわからない凡人たち(先生の指示で「凡人と書け」と言われたのでこう記載します)。
先生はその度に発狂し、精神を錯乱させてきた。
「私が好きなのはJERUSALEMなの!バカとクズとチビに曲解されるのが一番我慢ならないの!!!」。
公を嫌う先生はどうにもならないこの状況を私たちの前で子どものように泣き叫んできた。
その度に味方が増えて、家族が増えて、賛同者が増えていったこともまた不思議なめぐりあわせだと思うが、先生の純愛は今や世界の一大ムーブメントとなっている。
「私が動くのはJERUSALEMのため。それから私たちの恋を応援してくれた家族と賛同者のため。あとは他人、興味ない!!」
困った人なのは最初からわかっていたけれど、、、
と言うことで、今週のMT SECONDの作品リリースは来週以降に見送ることになりました。
理由は作品をリリースするたびにJERUSALEM以外の恋だと誤解をされたくないからという、非常にわがままなものです。
また今週だけはJERUSALEMたちだけに向き合いたいのだそうです、なぜならBirthday weekだから。
昨日の土曜日を皮切りに、日曜月曜とピークを迎えるこのBirthday Weekに先生は並々ならぬ気合を入れています。
ケーキ、誕生日プレゼントとして作った作品、大掛かりなバースデーカードなどなど。
先生は目を鋭く、語気を強めて私たちに凄みました。
「私の誕生日はあんぽんたんのデベソに汚されたの、忘れたわけじゃないよね?」
私たちは息を呑んで黙ってしまった。確かにあの日、あんぽんたんのデベソがまだ事務所を仕切っていたから私たちは食い止めることができなかった。あれだけお誕生日を楽しみにしていた芍薬先生、お父様が亡くなられてはじめてのお誕生日を寂しさと共に不安と共に、それでも私たちがいるからと楽しみにしていたのに。
あんぽんたんのデベソ(分類上♂)は私たちMT公会堂の一部の人間を利用して芍薬先生のお誕生日を汚したのは記憶に新しいことです。
「それから、あんぽんたんのデベソは分類上オスって書き方しておいて。生物学分類上ね。私にとってアレは物理上存在しているだけの肉の塊であって性別分別つけるような感覚ないから」。
先生、、、もう少し穏やかにいきましょうよ、、、
献灯が横で笑っている、祈祷がカメラに映らないところで大爆笑している。
「ほら、椿、おねんねしてください」
奉祝が画面の向こうから芍薬先生に促す。先生はおねんねを怠るとすぐにキレ散らかす。
「あとね、ハゲってどうしていけないの?うちのおじちゃんもおじいちゃんもはげてたけど人間的に素晴らしい人だったよ?なんでいけないの??お金かけて植毛した人も、お金かけないで植毛しない人もハゲはハゲであって、互いに罵り合うのはおかしいよ!それに、もしもハゲを隠してハゲを笑っているとしたら、それはなんか男として小さいと思うの!そう思わない?同じ女性としてそう思わない?あなたも嫌なめにあったわけでしょう?あんぽんたんのデベソに!」
先生!!!もうやめましょう。本当に。私たちの肝がいくつあっても足りません、もうわかりましたから、今週はJERUSALEMのことだけ考えていればいいですから、許可しますから、もうやめてください!!
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