姪っ子よ、お誕生日おめでとうが遅くなってすまない。
しかも「今日中になんとかする!」とか大見栄切っておきながら何も考えていなくてすまない。
少し鏑木清方の話をさせてくれ。
鏑木清方という画家がその昔いた。一度はコンクール落選という挫折を味わい、画風を付け足すことで復活後に名声を得た稀有な画家だ。いいとこ取りを実現したという意味で。
この画家は泉鏡花という作家の大ファンであり、一枚の絵の中だけで物語をいくつも想起させてしまう大変幻想的な作家でもあったそうだ。
彼の画家としての人生はまず浮世絵からはじまる。いい絵が描けたと思いコンクールに出したのだが、入選せず。その後、写実的な画風を学び、なおかつ泉鏡花という作家にも運命的に出会った。この泉鏡花という作家は幻想的な物語を書くことで大変有名である。今でいう2、5次元かもしれない。
鏑木は泉鏡花との出会い後、泉鏡花の作品の挿絵を描くことで才能が見事に開花、代表作の黒い羽織の美人画は私たち女性が見ても息を呑んでしまうような絵だと思う。
顔立ちは写実的に、しかし体の曲線美は様式美にこだわり浮世絵的な描き方をしているのだそうだ。
まさに2.5次元だと感じた。
私やJERUSALEMのおじちゃんたちは実際3次元のアートを創作している面が表立って見えるかもしれない。しかしその昔は、というか実際は今も私もJERUSALEMのおじちゃんたちも2次元でドュフンドュフン言っていた口であることは知っての通りだと思う。
つまり、どんなアートでも自分の肥やしにできるかが勝負なのだろうと感じている。
捉え方ひとつなのだから、あなたもきっとドュフンな面とキリッとした面を融合したあなた独自のアートを創造していくことができると思う。
遅くなったけれどお誕生日おめでとう。危険にさらされ続けたあなたの人生がどうかこれからは自由で華やかでふつうの女の子として歩めるようにと祈っています。
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