ウイスキーとワイン?
アイリッシュパブとスペインバル?
野外フェスとクラブ?
何にせよ、彼女はどこにもいなかった。溺れるような強い酒の中にも、誰もが踊る爆音の中にも、甘い夜の引き金になる酒場にも。
俺たちが望むことを知っているかのように、俺たちが目論むところには顔を出さない、かけらさえも持ち込まないように、日が暮れると出歩かないと言っている。冗談か本気かわからないけれど。
リズムの言葉が俺をこんなふうに酔わせている。毎日が白昼夢、毎日が天国、毎日が幻想。
本当の彼女が目の前に来て微笑んだら、俺はきっと死の直前だ。退廃的な気持ちに影さえ奪ってしまう彼女の言葉を求めて俺は今日も彼女を妄想する。会うべきではない、自己憐憫さえ甘美な叫びになってしまうんだ。
【Elegant Anger著:We are...】
浮遊感、、、、その先に現実は眠っている。
焦燥感、、、、その後に現実が立ちはだかっている。
高揚感、、、、その前に現実は背を向けてしまう。
執着心、、、、これこそが現実が見せる虚像だった。囚われているのは事実にではない、DNAは虚像の連鎖を刻んでいる。鎖状のDNAと染色体、長い歴史を持って私たちは間違いを染め上げられた。
長い歴史の果ての間違いを私たちは受け止めうるだろうか。きっとできない。
ネガティブな思考もまた虚像だとしたら、、、現実の最下層部分に秘めているのは人間の屈辱なのかもしれない。
【Elegant Anger著:今夜メッカで】
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