エウロぺという女性が全ての中心に据えられて時代が進んでいる。まるで、突如として現れた救世主のような盛り上がりであるし、狂乱的風潮に誰もが立ち止まることを忘れていた。
女というのは非常に良いものである。その見た目からあらゆることの目隠しになる。男の前に女を立たせておけば大概のことはスムーズに運ぶであろう。その女が賢くなければな良しである。
エウロぺ艦隊としてペルセウスが大隊長になったことは国家機密の葬りに関連している。国民は戦利品のエウロぺに注目し、彼女を取り巻く国王一家の醜聞を楽しむ。目的と目標が一致した。
作戦を考えたのは誰であったか。ふたりの兄弟の母なるジュノーか、もしくは兄弟のどちらか、前国王の死がスタートの合図だったことは言うまでもあるまい。
しかし、エウロぺという作戦を考えたのはいったい誰であったのか。
【JERUSALEM著:エウロぺ艦隊の凱旋】
リアルなラブレターをやりとりしていると時々、くだらない誤解に突き当たる。誤解の主が実際ラブゲームの外からの嫉妬であることも忘れてしまっていた。
俺たちのリアルなラブレターは、生死をかけるほどだということを思い知らされた。甘い蜜が滴るその瞬間、瞬間に床が汚れてしまうと泣く万葉をイラついて見ていると、誰かが後ろから俺に手を伸ばし抱きしめながら囁く、「女はだめだよ、これだから。穴がふたつもあるじゃないか。抜け道を作るなんてとてもじゃないけど、一途とは言えないよなあ、、、」
体に絡めて蛇が上昇し始めると誰でもかまわなくなる。泣いている万葉は俺を見ようとしないことも気づき始めていた。
蛇が上昇し、あたりが暗くなると、万葉が少し見えなくなり始める。霞む視界の彼方で万葉が誰かと誰かとまぐわっている。穴がふたつある女は抜け道がないようにとふたりの男がチームを組んで囲っているのかもしれない。
霞む視界をクリアにしようと躍起になるから俺たちはきっとリアルなラブレターを描き続けるんだ。
【MT SECOND私小説:RLL】
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