所有格は今、、、【不定期・芍薬椿】

今の賃貸物件の半値の家賃、それを折半していた。元旦那と私は1DKに住んでいて、彼はその1DKから引っ越しを渋り続けた。結婚生活約2年。生活費も完全折半。同棲のきっかけは親と喧嘩して私が借りていた部屋に転がり込んできたことだった。

そんな元旦那が時々、私とJERUSALEMたちの今の我が家の前を通ることがある。


立地的にも一駅しか離れていないわけなので遭遇することは必然であることはわかる。

しかしなぜ、この閑静な住宅街の中を通っていくところがあるだろうか?

我が家の近辺にはこの道を通らなければいけないような公共施設も商業施設もない。車道さえ一方通行だというのに。

近隣には小学校や公園もないというのに。


気持ち悪い。こそこそ見に来ることが心底私の気分を害する。

昼間は私ひとりでいることが多い。元旦那を見かけると私はカーテンを閉めるようにしている。

勘違いが起こると非常に面倒なので改めて伝えるが、復縁のつもりも愛情も義理もない。

人生に干渉する気持ちもないから、彼がどんな仕事をはじめようと終わろうと興味もない。

もしも、JERUSALEMたちと仕事をすることになったとしても「そうなんだね」で話が終わる。私の人生とは関係がないからだ。オフィシャル面でもプライベートな面でも。


別れた旦那と友達になれる人がいるし、子育ての意味で同志になれる男女も私は実際この目でたくさん見てきたし、良い関係性だなあと笑顔にさせてもらっている。が、しかし、私と元旦那はそれらの美しい関係には一ミリも該当しない。私がそれを望んでいないし、了承する気持ちもないからだ。


元旦那とはすでに終わっている。過去のことであり、その過去を美化するつもりもない。あの頃、婚姻関係があった、その事実だけでそれ以上に思いを馳せることもそれ以下に貶めようと思うこともない。


勝手な期待や妄想、私を心配する気持ちさえもJERUSALEMたちに迷惑がかかるからやめてほしい。元旦那は他人だけど、JERUSALEMたちは家族だからだ。


今の私は元旦那が憧れたものに囲まれている。金や名誉以上の尊い関係性を笑顔と思いやりをもってたくさんの人たちと共に育んでいる。

目を輝かせた少年時代の憧れをすべて手に入れた女が自分の元嫁だとしても、私は何のコネクションもカードも持っていない。

私とJERUSALEMたちは互いに愛によって結びつているだけで、利害に絡む口添えができるような契約は持っていないからだ。

既婚中、彼は私の才能を「無能」と評価した。小説を書くと言った時も笑ったし、大きい家に引っ越したいから私が内見も手続きも、もちろん折半すると言ったのに結局引っ越すことはなかった。自宅で仕事をする私に対して「休めないからマクドナルドに行って仕事をしろ」と胸ぐらをつかまれたこともあった。出ていってくれと最初に喧嘩して懇願した時は「嫌がらせで居座ってやる」と言われて困り果てたこともあった。自分の実家は一駅しか離れておらず、私の実家は長野だというのにである。わがままな馬鹿な男を選んだ私は自分で決着をつけて離婚した。

その後、離婚してまで迷惑をかけられた時には別れて良かったとしみじみ感じた。ちなみに離婚直後の元旦那のストーキング行為から守ってくれたのは奉祝だった。彼自身も元旦那の嫌がらせに大変悩まされた。


思い出を懐かしむことはご自由に。しかしその思い出に私を駆り出すことはやめてほしい。私は個人でありながらすでにJERUSALEMたちの所有物である。思い出はご自身の脳内でとどめておいてほしい。

私の所有格は2020年8月の離婚成立日よりJERUSALEMの属格となっている。


「元旦那、おまえじゃ椿は無理だよ」


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