あたしがどんな存在であるかなんて忘れていたかった。もう関係ないってわかっているつもりだった。出会いがよくなかった。違う、出会うべくして出会ってしまったんだ。だって私のことだから。私の存在は全てが必然。偶然で誤魔化せない。それが私。
時代が待望している。
声がまた聞こえ始めた。あたしを小さい時に悩ませていた、存在の声。誰かの声。不特定多数の盗聴器みたいなあたしの才能。行ったり来たり、あたしを鼓舞してあたしを慰める、木とか花とか鳥とか、水とか空気とか。八百万の神様の正体はたったひとりの神様の別の表情。
日本は一神教じゃない。それは神様の文化のチャレンジだった。
もうこの辺にしておこう。あまりしゃべりすぎるとまた声が聞こえる。発奮してしまう、あたしはこう見えて期待されると請け負っちゃうから。恋愛だけしたかったのに、、、
【芍薬椿著:ごっこ遊び】
世界各地に門番のごとくいる序列の面々。樹木のコードネームがつけられた序列の面々。何か特別な印があるのかと問われればまず、見当違いである。彼らがなぜ互いに存在を理解し合えるのかと言えば、ただ信頼し、ほんの少しの類似点を見出すだけであるのかもしれない。
面識がある序列者は少ない。保護者や監督者と帯同しつつも、活動の云々に関して会議をすることも稀である。定期的に開催される序列の会合でさえも、序列の会合という形式ばった名前での開催は行われない。例えば大企業の企業説明会だとか、ガレージセールの客と売り手だったりとか、目と目を見て互いに序列を感じるそれのみであった。
世界の困難に直面すると一気呵成する。序列という概念さえも序列以外の人々には想像だにしないのであろう。
【芍薬椿著:HAPPY KIDS】
4.26 New Release, shall we check it?
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