模索【JERUSALEM】

正義に反しない限り、挑戦においてすべきじゃないことなんてないんだよと俺たちは思う。若者に対しても誰に対してもやってみたらいいじゃないというのが俺たちのスタンス。嫌うべきじゃないなんてこともないとさえ思う。

十人十色、この人とは絶対に馬が合わないということがあっても責任を感じる必要はない。馬が合わないその人は誰かとは馬が合うように世の中はうまくできている。

グループに入れてもらえなくてもしょげてしまうことはない。適したグループというのが必ず各々にはある。グラデーションの繊細な重複を持って俺たちはグループが形成されていくと思っている。嫌いなやつとは赤と黒、黄色と青、それくらいに重複がない。これは感性の問題で、何に希望を抱くかとか、何をみて美しいと思うか、何に胸を痛め、そのためにどう尽力しようと思考するかとかそういう問題を言っている。

対極の才能や魅力に惚れることとは別に、感覚・感性、また人生の方向性や、なんとなく目指したがっている着地点、それから、事件や物事に対しての対応のやり方もグラデーションの重複が重要だと思っている。


仕事をしているといろんな人に出会い、いろんな経験をさせてもらえる。その中で仕事面での感性が合致して最高のものを作れたとしても、それがすなわち、プライベートにつながるとも言いにくい。特に、同じものを持っている相手ほどプライベートでは距離を置きたくなるものだ。簡単に言えばライバルと寝食を共にする器量が俺たちにはない。

俺たちはそういう人と出会いやすい気がしている。たとえば椿がその代表格だ。同じ感性を持って同じ感覚で仕事をしているから、創作物に類似点が多くあって、椿の作品ありきでは仕事が全く捗らない時がある。椿は真逆のことを言う、「あなたがいてくれるから私は物語がオーダーメイド並みにたくさん描けるの!」

無邪気さの中にある種の野心を感じ取るから俺たちも圧倒されて、微笑むことが精一杯な時がある。

類は友を呼ぶということが最近弊害に感じることがある。椿と仲良くなる人々はすなわち俺たちと感覚のグラデーションに重複があって、グラデーションだから繊細に才能や創作物への向き合い方が違っている。椿の創作物を時にプレッシャーだと感じる俺たちとは真逆に椿同様刺激を受けて良いものが作れると心躍らせている人々も最近は多くなった。確かにそれで素晴らしいものができている。

俺たちはそんな時、腐るしかない。腐って、「よかったですね」とじめじめと嫉妬の視線を向けるしかない。真似をするほど俺たちのプライドは低くない。仕事にプライドを持っていることが唯一俺たちが前進できるガソリンでもある。

情けないけれど。

嫉妬している。相手はどう思っているか知らないけれど、俺たちが見る限り余裕だなって思う。その余裕さえも生きる知恵なのかもしれないけれど。

マイペースになれない日もある。だからひとりを望む日もある。

それでも椿は無邪気に待っていると言う。だから嫌なんだ、どっちが男なのかわからなくなる。また日が暮れる。今日も椿に勝てないまま日が暮れそうだ。上書きしたくてまた仕事に没頭している。

ひとりで没頭している日に限って椿のなりすましがまた現れて俺たちや椿に被せて発信をしてくる。それを見つけると俺はまた自尊心を削がれる。椿になりすますことで俺たちに嫌われまくってることをそろそろ気づけば未来もあると思うけれど。

これは俺たちの問題だった。だって、俺の機嫌が悪いのは椿の才能に勝てない現実を突きつけられているからで、ちょうどそこに当たりやすいなりすましがいてくれるって話なだけだから。ごめんね。


NOVEL OFFICE MT SECOND

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